ハイパーカミオカンデについて、簡単にまとめてみました。

ハイパーカミオカンデ検出器は、神岡鉱山の地下600mに設置された容量26万トンの水タンクとその壁面に設置された光を検出するための約40000本の光電子増倍管で主に構成されている、 素粒子(主にニュートリノ)を観測するための素粒子観測装置です。 2027年から観測を予定しています。

そしてハイパーカミオカンデ計画は、東京大学と高エネルギー加速器研究機構を中核機関とした国際研究プロジェクトとして進められていて、超大型地下実験装置(ハイパーカミオカンデ検出器)とJ-PARCニュートリノビームの高度化によって、 宇宙の物質の起源と素粒子の統一理論の解明を目指すものです。

ハイパーカミオカンデ(検出器)とハイパーカミオカンデ計画で指しているものが違うのにちょっと注意です。

ハイパーカミオカンデはカミオカンデ(1983~1996年)、スーパーカミオカンデ(1996年~)の後継となる予定になっています。

岐阜県飛騨市神岡町の神岡鉱山の地下600mに直径68m、深さ71mの巨大な円筒形のタンクを設置し、そこに質量26万トンの超純水(不純物のとても少ない水)を入れて実験を行います。
(カミオカンデ、スーパーカミオカンデとは違う場所になります)

タンクの上面、側面、底面には光電子増倍管が約40000本設置され、タンクの中でニュートリノなどが起こすわずかな光を信号として検出します。

ハイパーカミオカンデは次のような目的を持って建設されています。

  1. J-PARCで作られたミューニュートリノと反ミューニュートリノを観測し、ニュートリノの種類が変化するニュートリノ振動の違いを詳細に調べることでCP対称性の破れを発見する
  2. 宇宙にある天体からのニュートリノを観測することでニュートリノ天文学を確立する
  3. 陽子が勝手に別の粒子に変わってしまう陽子崩壊を観測し、素粒子物理学における電磁気力、弱い力、強い力を統一する大統一理論の完成を目指す
このイラストは随時更新できればと思います

2020年2月にハイパーカミオカンデ計画が開始され、現在建設を進めていて、2027年に観測を開始する予定になっています。

カミオカンデ、スーパーカミオカンデ、ハイパーカミオカンデを簡単に比較したイラスト。