【今記事のスーパーカミオカンデに関する写真については転載不可です】
みんな大好きスーパーカミオカンデちゃん、今回12年ぶりに開封されたタンクの中をかなり特別に見学させていただきました。(関係者のみなさま、本当にありがとうございます!)
前置き
上記のマンガでタンクの水を抜くのに結構時間がかかるみたいなお話をしたのですが、これはタンクのメンテナンスをしながらゆっくり水位を下げていくためです。
水面の上にボートや足場を作って、その上にタンクの天井からゴンドラで降りて、側面にあるフォトマルくんこと光電子増倍管のチェックや交換、タンクの壁の洗浄や水漏れ防止の作業を行っていくわけです。
いつもはスーパーカミオカンデのタンクの上にあるコントロールルームには当番の人しかいないのですが、今は大賑わい。たくさんの研究員や作業員の方がいらっしゃいました。
コントロールルームのモニターにはスーパーカミオカンデのタンクの中の様子が映し出されています。
スーパーカミオカンデのタンクに上から入ろう!
ここからスーパーカミオカンデのタンクの中に行くのですが、タンクの中はクリーンルーム、空気がきれいな状態に保たれるようにしています。ですので衣服や髪の毛についたホコリが入らないように、上下つなぎの白い服を着てキャップを付けてタンクの中が汚れないように気をつけます。万が一、タンクの中の水に落ちても大丈夫なように救命胴衣を着用します。またタンクの中に持ち込むものには必ず「ストラップ」をつけて身体にどこかに引っ掛けた状態になるよう、水に落とさないようにしておきます。落としたら大変だからね!
こういうものが活躍するような事態が起きないように気をつけましょう。
このゴンドラに乗って、写真中央の穴からタンクの中へ降りていきます。
まさにタンクの真上になります。
フォトマルくんのキラキラと青い水面と浮かぶ足場となんかもういろいろすごい感じ。
タンク上部の構造、タンク上面のフォトマルくん、そしてタンク内部の様子、水面が徐々に見えてきます。ギューンという音はゴンドラの運転音です。(声などが入ってしまっていたので音声は多少編集しています)
ここからはひらすら写真をご覧ください。
すごいですね。写真では見たことがありましたが、実際に見てみるといろいろ本当にすごいです。素人が撮ってこれですから、プロが撮ったいろいろな写真や動画はとんでもない迫力になるのではないでしょうか。また鉱山の中は基本的に涼しいというか寒いというかそのくらいの気温なのですが、クリーンルーム用の服を着て救命胴衣を着て動き回っていると、まわりの湿度とあいまってなかなか暑くなってきました。ここで作業し続けるのはなかなか大変そうです。
タンクの外側も見てみよう!
ここまではタンクの内側のお話だったのですが、実はタンクの外側にもゴンドラが設置されています。
こちらでは、タンクの外側からフォトマルくんのチェックをしたり、さらに外側の大きなタンクの壁面をお掃除して、水漏れ防止の作業をおこなっています。こちらもこちらでとっても大事な作業!
またタンク中央には水面の高さをチェックするための穴が開いています。
こんな具合にフォトマルくんのチェックや壁面の補修を行いながら水を抜き続けているスーパーカミオカンデ、予定では8月末頃にタンクの水が抜けきる予定になっています。底面のフォトマルくんが見えてくるとまた違った様子になってきそうです。とっても楽しみ…!
最後に
今回も東京大学 宇宙線研究所の関谷さまをはじめ、宇宙線研究所のみなさまには大変お世話になりました。作業でとってもお忙しいのにもかかわらず時間を割いていただき、本当にありがとうございます!
今回のスーパーカミオカンデ開封に関する宇宙線研究所の特設ページがこちら。
https://www.icrr.u-tokyo.ac.jp/prwps/sk_open/
過去の神岡レポートはこのあたりにいくつか。
フォトマルくん紹介。
おまけ
岐阜県飛騨市神岡町には「スカイドーム神岡」という道の駅があるのですが、ここではスーパーカミオカンデに関する展示やグッズの販売などが行われています。いろいろあって楽しい!
素粒子はかわいい。素粒子のイラストやマンガを描いています。博士(理学)