スーパーカミオカンデ。岐阜県飛騨市の神岡鉱山の地下1000mでニュートリノと呼ばれる素粒子を検出しているスーパーな実験装置です。ここらへんにニュートリノの見つけ方の4コママンガもあったりします。そんなスーパーカミオカンデで、今回ちょっとおもしろい状況が見れるということで、そっと取材させていただきました。
東京から北陸新幹線で富山駅、富山駅から1日4本しか出ていないバスに揺られること1時間で到着する岐阜県飛騨市神岡町の茂住、そんなところに東京大学宇宙線研究所付属神岡宇宙素粒子研究施設があります。ここから神岡鉱山へ向かいます。
神岡鉱山内の写真とかはいろいろなところで見れるかと思いますので今回はほどほどに。(お手洗いの写真はめずらしいかもしれません。)
今回お伺いした目的の場所は上の画像の赤い矢印の部分、スーパーカミオカンデの外側をぐるっと回りながら下っている坑道です。スーパーカミオカンデの建設の際には工事車両などが走っていたこの坑道、普段は地下水で満たされていて水没した状態なのですが、ちょっとした検査のため、一時的にポンプで水を引いた状態になっているのです。これはとってもレアな状態ですね!
当たり前ではあるんですが、地下1000mの鉱山の中、しかも普段は水没している坑道です。天然の光源も人口の光源も一切ありません。懐中電灯の光だけが頼りです。めっちゃ怖い。そんな中で撮った素人写真ですので、写りがひどいのは勘弁してください。
そんな怖い暗闇の中、坑道をテクテク歩いて下っていくと、乾いていた坑道がある地点を境にして、急に水でびしょびしょに濡れている状態に。どうもここから下の地面には地下水が満ちているようです。豊富な地下水が天井から壁から出てきています。
地下水いっぱいの坑道を進んでいくと、ちょっとした空間が現れます。そこには巨大なコンクリートの壁とフランジが。
この壁とフランジの向こう側が、愛しのスーパーカミオカンデの外側のタンクとなるわけです。こんなに近くで見ている今も、健気にニュートリノの検出を行っていると思うと胸熱です。
坑道で作業を行っていた名残であろう蛍光灯ケース。
この先も坑道は続いているのですがここからは水が引かれておらず、坑道が地下水でいっぱいになっています。というわけで今回行けるのはここまで。
普段は水で満たされていて見ることのできない空間、とってもステキなものを見させていただきました。それにしても溢れ出る地下水の量にはびっくりです。スーパーカミオカンデを運用するにあたってきれいな水は必須、地下水の豊富な神岡鉱山に作られたのはそのような理由もあるのかもしれません。案内してくださった宇宙線研の関谷さま、本当にありがとうございます。
スーパーカミオカンデを運用している東京大学宇宙線研究所 神岡宇宙素粒子研究施設はこちら。
http://www-sk.icrr.u-tokyo.ac.jp/index.html
宇宙線研究所VRって素敵なコンテンツもスタートしたみたいです。正直コレは必見。
http://www.icrr.u-tokyo.ac.jp/panorama/
【おまけ1】
スーパーカミオカンデでは、中の純水にガドリニウムというものを混ぜ込んで、ニュートリノに対する感度を高めようとする実験を計画しています(4コママンガだとこのあたり)。そのための施設を建設中でした。
【おまけ2】
天気が良かったので、帰りの富山空港から立山連峰がとても良く見えました。綺麗です。
素粒子はかわいい。素粒子のイラストやマンガを描いています。博士(理学)