レプトンには電気を持っている荷電レプトンというグループと、電気を持っていないニュートリノというグループがあり、それぞれがクォークと同じように3つの世代にわかれています。

荷電レプトンが世代ごとに電子ミュー粒子タウ粒子と名付けられているのに対応して、ニュートリノは電子ニュートリノミューニュートリノタウニュートリノと呼ばれています。

ニュートリノ3きょうだい

3種類のニュートリノがありますが、それぞれがつよい個性を持っている感じではありません。けれど、ニュートリノそのものがなかなか個性的でかわいい感じなのです。

ニュートリノの特徴 その1:そのへんにたくさんいる

いっぱいいる ニュートリノ

とにかくたくさんいます。太陽から、宇宙の星から、地球からたくさん生まれて、そこらじゅうを飛びまわっています。どれくらい飛びまわっているかといえば、1秒間に私たちの身体を約100兆個という数のニュートリノが通り抜けているくらいです。

ニュートリノの特徴 その2:とっても見つけにくい

ぶつからないですりぬけちゃう ニュートリノ

そんなにたくさんのニュートリノたちが飛びまわっているこの世界ですが、電気的な性質を持っていないし、とってもちいさいしで、いろんなものをすり抜けてしまい、とてもとても見つけにくいです。ニュートリノの研究をしたい物理屋さんはいつも苦労しています。スーパーカミオカンデちゃんがすっごいでっかい水のタンクを作って実験をしちゃうのも、この性質のせいです。見つけにくい性質を実験装置の「的🎯」の数でカバーするという力技になります。

ニュートリノの特徴 その3:重さが…あった!

ずっと重さはないと思われていた ニュートリノ

素粒子物理学の世界の基本となっている標準模型では重さは持っていないと考えられていたニュートリノなのですが、実は重さを持っていました。この発見は1998年のスーパーカミオカンデの実験と2001年のカナダのSNO実験によるもので、この発見によって梶田隆章先生とアーサー・B・マクドナルド先生はノーベル物理学賞を受賞しています。世紀の大発見です。

ニュートリノの特徴 その4:勝手に種類が変わっちゃう?

勝手に種類が変わっちゃう ニュートリノ

3種類あるニュートリノですが、実は見てない間に勝手に種類が変わっちゃいます。ミューニュートリノだったものが電子ニュートリノに変わったり、タウニュートリノに変わったり。そんな不思議な性質のことをニュートリノ振動と呼んでいます。

ニュートリノはこの宇宙にたくさん存在します。その性質を理解することが、この宇宙の誕生や物質の起源などにもつながると考えられています。ニュートリノはたくさんあるのに見つけにくい、そして不思議な性質を持った、とってもたのしい素粒子なのです。