茨城県つくば市の高エネルギー加速器研究機構の敷地内にある、粒子加速器KEKBとその相棒の検出器となるBelleです。KEKBは周長約3㎞、地下11mに埋まっている円形の加速器で、2つの加速器のリングを用いて電子と陽電子をそれぞれ違う速さまで加速し、衝突する地点に設置されたBelle検出器でその衝突の様子を観測します。
ここで注目するのは衝突の際に生成されるB中間子と呼ばれる粒子と、その反粒子である反B中間子(反粒子に関してはこちら)。KEKBとBelleでは、B中間子と反B中間子が壊れて別の粒子になってしまうまでの時間の長さを調べました。この2つは粒子と反粒子の関係ですから、壊れるまでの平均寿命は同じで、電気以外はすべて同じ性質を持っているはずです。ところが、B中間子と反B中間子をたくさんたくさん作って、さまざまな壊れ方での時間の長さを詳細に調べてみると、振る舞いが違う場合があることがわかってきました。この違いの解明が「粒子と反粒子の対称性の破れ」、宇宙にはなぜ反物質がほとんどないのかという謎の解明につながるはずなのです。
そんなKEKB加速器とBelle測定器、こんな感じでSuperKEKB加速器とBelle II測定器にパワーアップするのですが、いよいよ明日4月11日に「ロールイン」と呼ばれる加速器と測定器を合体させる作業が行われます。そしてその作業をニコニコ生放送で生中継されるそうです、うひゃー。9時から8時間程度を予定されているそうですので、時間がある方はぜひぜひ。
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素粒子はかわいい。素粒子のイラストやマンガを描いています。博士(理学)