素粒子の質量と深い関わりのあるヒッグスくん、先日はトップクォークがお互い反応できることが確認できたお話がありましたが、今回はボトムクォークと反ボトムクォークのペアに変身することがLHCちゃんの実験で確認できたというお話です。

こちらは先日のヒッグスくんとトップクォークとのお話。
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もともとヒッグス粒子は60%くらいの確率で勝手にボトムクォークと反ボトムクォークのペアに変身することは予想されていたのですが、その変身する様子は確認できていませんでした。たくさん起きているはずではあるのですが、結果的にたくさんの粒子が飛び出してくることになるために見つけ出すのがとても難しかったのです。そこをがんばってLHCちゃんがたっくさんの実験データを解析した結果、その変身している様子が見えた!とのことです。ボトムクォーク対に変身するところを確認したのははじめてです。

以前の実験からタウ粒子と呼ばれる粒子とヒッグス粒子がお互いに反応できることはわかっていましたので、今回と前回の結果から物質を構成している素粒子、フェルミオンの第3世代のとっても軽いニュートリノを除いた素粒子の中でも特に重い子たちである3つの素粒子トップクォークボトムクォークタウ粒子とヒッグス粒子がお互いに反応できることが確認できたことになります。このことによって、この子たちの質量の大部分はヒッグス粒子とくっつくことで生まれていると説明できることになります。

今後はさらにデータを増やしていき、ヒッグス粒子との仲良し度が第3世代とは大きく違うかもしれない第2世代のフェルミオンとの反応も詳しく調べたいそうです。標準理論とは違うヒッグスくんが見つかって標準理論を越える理論が出てきちゃったり、この「世代」というものが何なのかについて大きく迫っちゃったりことができるかもしれません。

ICEPPのプレスリリースはこちら。(日本語)
https://www.icepp.s.u-tokyo.ac.jp/information/20180828.html

CERNのプレスリリースはこちら。(英語)
https://press.cern/press-releases/2018/08/long-sought-decay-higgs-boson-observed