【今記事のスーパーカミオカンデに関する写真については転載不可です】

みんな大好きスーパーカミオカンデちゃん、今回12年ぶりに開封されたタンクの中をかなり特別に見学させていただきました。(関係者のみなさま、本当にありがとうございます!)

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上記のマンガでタンクの水を抜くのに結構時間がかかるみたいなお話をしたのですが、これはタンクのメンテナンスをしながらゆっくり水位を下げていくためです。水面の上にボートや足場を作って、その上にタンクの天井からゴンドラで降りて、側面にあるフォトマルくんこと光電子増倍管のチェックや交換、タンクの壁の洗浄や水漏れ防止の作業を行っていくわけです。


お伺いしたのが7月の半ばには、ちょうどタンクの水が半分くらいになったタイミングでした。

いつもはスーパーカミオカンデのタンクの上にあるコントロールルームには当番の人しかいないのですが、今は大賑わい。たくさんの研究員や作業員の方がいらっしゃいました。


神岡鉱山の中に入って、スーパーカミオカンデの実験区画への入り口。研究員作業員のみなさまの靴がたくさんあります。

コントロールルームのモニターにはスーパーカミオカンデのタンクの中の様子が映し出されています。


モニターの右はタンクの上からの映像、左は以前スーパーカミオカンデでなにかを観測したときのフォトマルくんの様子をかっこよくディスプレイしたもの。

ここからスーパーカミオカンデのタンクの中に行くのですが、タンクの中はクリーンルーム、空気がきれいな状態に保たれるようにしています。ですので衣服や髪の毛についたホコリが入らないように、上下つなぎの白い服を着てキャップを付けてタンクの中が汚れないように気をつけます。万が一、タンクの中の水に落ちても大丈夫なように救命胴衣を着用します。またタンクの中に持ち込むものには必ず「ストラップ」をつけて身体にどこかに引っ掛けた状態になるよう、水に落とさないようにしておきます。落としたら大変だからね!

こういうものが活躍するような事態が起きないように気をつけましょう。[blogcard url=”https://higgstan.com/4koma-sk-drop/”]

緑色のかごがゴンドラ。これに乗って写真中央の穴からタンクの中へ降りていきます。


スーパーカミオカンデのここのあたり。


タンクの上の穴からタンクの中を覗いてみた様子。フォトマルくんのキラキラと青い水面と浮かぶ足場となんかもういろいろすごい感じ。

そしていよいよゴンドラを使ってタンクの中に降りていきます。うひゃー。


タンク上部の構造、タンク上面のフォトマルくん、そしてタンク内部の様子、水面が徐々に見えてきます。ギューンという音はゴンドラの運転音です。(声などが入ってしまっていたので音声は多少編集しています)

ここからはひらすら写真をご覧ください。


タンク上面のフォトマルくん


タンクの上方から下のフォトマルくんを見下ろした様子。


水面と水中のフォトマルくんたち。水がとても青く見えます。


タンク上方の穴から降りてくるゴンドラ。


ゴンドラは水面に浮かぶ足場に着地します。


タンクの水面に浮かぶ足場と移動用のボート。


たくさんのフォトマルくん。


見上げてもフォトマルくん。


水の中を覗いてもフォトマルくん。


寄ってみてもフォトマルくん。


結構大きい(50cmくらい)フォトマルくんがアクリルとFRPでできた容器に封入されています。


フォトマルくんをひとつずつチェック。


調子の悪いフォトマルくんは外して交換します。


魚眼っぽいレンズでも撮ってみました。


タンクの上から下までを眺めてみた動画。

すごいですね。写真では見たことがありましたが、実際に見てみるといろいろ本当にすごいです。素人が撮ってこれですから、プロが撮ったいろいろな写真や動画はとんでもない迫力になるのではないでしょうか。また鉱山の中は基本的に涼しいというか寒いというかそのくらいの気温なのですが、クリーンルーム用の服を着て救命胴衣を着て動き回っていると、まわりの湿度とあいまってなかなか暑くなってきました。ここで作業し続けるのはなかなか大変そうです。


タンクから退出するときの動画。


上りがけに見たフォトマルくん(の容器)のおしり。ズラッと並んでいます。

ここまではタンクの内側のお話だったのですが、実はタンクの外側にもゴンドラが設置されています。


こっち側。

こちらでは、タンクの外側からフォトマルくんのチェックをしたり、さらに外側の大きなタンクの壁面をお掃除して、水漏れ防止の作業をおこなっています。こちらもこちらでとっても大事な作業!


写真上が外側のタンク、下が内側のフォトマルくんいっぱいのタンク。水面にはぐるっと浮島が敷かれています。


外側のタンクに取り付けられていたちょっと小さめなフォトマルくん。おそらく具合が悪かったので取り外されてしまったのでしょう…

またタンク中央には水面の高さをチェックするための穴が開いています。


スーパーカミオカンデの説明をするための場所のここのあたりに。


ケーブルがぴろぴろと水面まで降りています。


目を凝らすと水面の下のフォトマルくんが見えます。

こんな具合にフォトマルくんのチェックや壁面の補修を行いながら水を抜き続けているスーパーカミオカンデ、予定では8月末頃にタンクの水が抜けきる予定になっています。底面のフォトマルくんが見えてくるとまた違った様子になってきそうです。とっても楽しみ…!


今回のタンクの水抜きの工程表。細かい!

今回も東京大学 宇宙線研究所の関谷さまをはじめ、宇宙線研究所のみなさまには大変お世話になりました。作業でとってもお忙しいのにもかかわらず時間を割いていただき、本当にありがとうございます!

今回のスーパーカミオカンデ開封に関する宇宙線研究所の特設ページがこちら。
http://www.icrr.u-tokyo.ac.jp/sk_open/

過去の神岡レポートはこのあたりにいくつか。

レポ:突撃!スーパーカミオカンデのとなりの坑道!

レポ:神岡のいろいろな360°画像 その1

レポ:神岡のいろいろな360°画像 その2

フォトマルくん紹介。

フォトマル;光電子増倍管

【おまけ】
岐阜県飛騨市神岡町には「スカイドーム神岡」という道の駅があるのですが、ここではスーパーカミオカンデに関する展示やグッズの販売などが行われています。いろいろあって楽しい!


フォトマルくんの展示もあります。


梶田先生のパネルもあります。


ちょっと話題になっていたスーパーカミオカンデのパズルとグラスに入った日本酒も売ってます。